スペイン語技能検定

文部科学省後援スペイン語技能検定

スペイン語は、公用語としている国と地域が21、約5.9億人以上が使用し、国連の公用語にも規定されている世界の主要言語のひとつです。
また、日本と関係の深いアメリカ合衆国では、スペイン語話者の割合、そして母国語以外の第二言語としてスペイン語を学習する人々の割合が過去と比べて急激に増加しており、この傾向はますます顕著となっていくことが様々な調査からも明らかとなっています。
一方、日本とスペイン、および日本とスペイン語圏諸国の政治、経済、文化面における交流の進展により、スペイン語を正しく自在に使える人材が強く望まれています。
当協会は、スペイン語に対する認識と需要が未だ希薄であった1973年から「スペイン語検定試験」を開始しました。
その後、文部科学省の後援を受け、「文部科学省後援スペイン語技能検定」として着実に実施回数を重ね、2022年度に開催100回目の節目を迎えました。
現在、言語学習状況の確認にとどまらず、留学時の公的証明、大学等の単位互換認定、通訳・翻訳業務の能力証明、官公庁や民間企業の採用試験、そして生涯学習の到達目標等、様々な場面において活用されています。

【各級のレベルとサンプル問題】

1級

レベル 社会生活の全般にわたってスペイン語を運用でき、専門的業務に携わることが可能。
学習時間
文法範囲
語彙数等
  • スペイン語を5年以上継続的に学習している、または日常的にスペイン語に接し、翻訳や通訳等の経験を有する方が対象
  • 合格者は、全国通訳案内士試験の外国語筆記試験が免除
    詳細は全国通訳案内士試験を参照
領域 読む(読解力)
  • 高度なスペイン語力を要求される、多岐にわたるジャンルの文章を、正確に理解できる。
書く(文章力)
  • 目的に合わせて的確かつ論理的なスペイン語で書くことができる。
  • 日本の文化、習慣などについて説明することができる。
聞く/話す(聞き取り/会話力)
  • ニュース、スピーチ、インタビューなどを理解し、その内容を日本語あるいはスペイン語で説明することができる。
  • 新聞・雑誌の記事などについて自分の意見を述べ、質疑応答ができる。
審査基準
  • 専門的業務に必要なスペイン語を支障なく運用できる技能を審査する。
審査形式 一次試験
  • 筆記(リスニングを含む。解答はマークシート式) 
二次試験
  • 口述(面接官とのスペイン語での質疑応答)
試験時間
  • 一次試験80分(筆記70分、リスニング10分)。二次試験15分。
合格基準
  • 100点満点の80%以上を合格の目安とする。
サンプル
備考
  • 一次試験(筆記)合格者のみが、二次試験(面接)を受験できる。
  • CEFRとの対応:C1~C2

 

2級

レベル 社会生活の全般にわたってスペイン語を運用でき、一般的業務において活用することが可能。
学習時間
文法範囲
語彙数等
  • スペイン語を4年以上継続的に学習し、スペイン語圏で1年程度の留学経験がある、またはこれに相当するスペイン語運用能力を有する方が対象。
  • 語彙数:約3,500語。
領域 読む(読解力)
  • まとまった長さの文章(内容は政治、経済、外交、社会、文化、文芸、スポーツなど)を理解できる。
書く(文章力)
  • まとまった長さのスペイン語の文章の大意を、日本語あるいはスペイン語で要約することができる。
  • フォーマルな依頼文、招待状などが作成できる。
  • 日本の日常生活の習慣について説明することができる。
聞く/話す(聞き取り/会話力)
  • ニュース、スピーチ、インタビューなどを聞いて内容を把握し、自分の感想・意見を表明したり、質疑に応答したりすることができる。
  • 与えられたテーマについて意見を述べ、質疑応答ができる。
審査基準
  • 社会生活の全般にわたってスペイン語を運用できる技能を審査する。
審査形式 一次試験
  • 筆記(リスニングを含む。解答はマークシート式)
二次試験
  • 口述(面接官とのスペイン語での質疑応答)
試験時間
  • 一次試験80分(筆記70分、リスニング10分)。二次試験15分。
合格基準
  • 100点満点の70%以上を合格の目安とする。
サンプル
備考
  • 一次試験(筆記)合格者のみが、二次試験(面接)を受験できる。
  • CEFRとの対応:B2~C1

 

3級

レベル スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」を活用し、スペイン語圏で生活する中で適切な受け答えが可能。
学習時間
文法範囲
語彙数等
  • スペイン語の授業を約300時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、過去未来完了、接続法現在完了、接続法過去、接続法過去完了を含む。
  • 語彙数:約2,500語
領域 読む(読解力)
  • ある程度まとまった文章(内容は社会、文化、スポーツなど)を理解できる。
書く(文章力)
  • 接続詞などを使って、筋道の通った文章を書くことができる。
  • 依頼文、招待状などが作成できる。
聞く/話す(聞き取り/会話力)
  • 社会的なテーマについて自分の意見を述べることができる。
  • 課題を解決するために、意見を提案することができる。
  • ある程度の長さの会話や文章を読んで理解できる。
審査基準
  • 基本的な文法の全容を理解し、現地における日常生活に必要と想定されるスペイン語を使って、課題解決を含め幅広い場面に対応可能な情報のやりとりができる技能を審査する。
審査形式
  • 筆記試験(リスニングを含む。解答はマークシート式)
試験時間
  • 80分(筆記70分、リスニング10分)
合格基準
  • 100点満点の70%以上を合格の目安とする。
サンプル
備考
  • 基本的な文法を習得し、現地で生活ができる初歩的な運用能力を有している。
  • スペイン語圏各地のスペイン語に語彙や用法の多様性があることを理解している。
  • 大学のスペイン語専門課程での3年間の学習に相当。
  • 留学する学生が留学前に達していることが望ましいレベル。
  • CEFRとの対応:B1

 

4級

レベル スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」を活用し、日常生活において状況に即した受け答えが可能。
学習時間
文法範囲
語彙数等
  • スペイン語の授業を約200時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、過去完了、未来、未来完了、過去未来、接続法現在、命令、受身を含む。
  • 語彙数:約1,500語
  • 数字100万まで
領域 読む(読解力)
  • 日常生活で必要な説明文(マニュアル、パンフレット、各種案内など)を理解できる。
  • 日常のエピソードを綴ったまとまった文章の概要を理解できる。
書く(文章力)
  • 身近なテーマについて、意見・判断・感情を述べることができる。
  • 状況に応じた適切な言い方で、指示・伝達ができる。
聞く/話す(聞き取り/会話力)
  • 時制を使い分け、身近な状況を説明できる。
  • 道案内、手順の説明などの指示を理解・伝達することができる。
  • 平易な文によって構成される、ある程度の長さの会話や文章を聞いて理解できる。
審査基準
  • 基本的な文法の全容をほぼ理解し、日常的に使われるスペイン語を用いて情報のやりとりができる技能を審査する。
審査形式
  • 筆記試験(リスニングを含む。解答はマークシート式)
試験時間
  • 50分(筆記40分、リスニング10分)
合格基準
  • 100点満点中の70%以上を合格の目安とする。
サンプル
備考
  • 大学の第二外国語として週2回、2年間の学習に相当する。
  • 留学のための選考で目安となるレベル。
  • CEFRとの対応:A2

 

5級

レベル スペイン語の4技能「読む、書く、聞く、話す」の基本を理解し、日常生活において平易な受け答えが可能。
学習時間
文法範囲
語彙数等
  • スペイン語の授業を約100時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、直説法現在不規則、直説法過去点過去、直説法線過去、直説法現在完了、過去分詞、現在分詞、再帰動詞、gustar型動詞を含む。
  • 語彙数:約1,000語
  • 数字1万まで
領域 読む(読解力)
  • メモ書きや短いメッセージを書くことができる。
  • 過去の体験・出来事・状況・習慣について説明できる。
書く(文章力)
  • メモ書きや短いメッセージを書くことができる。
  • 自己紹介や日常生活についての短い文章を書くことができる。
  • 過去の体験・出来事・状況・習慣について説明できる。
聞く/話す(聞き取り/会話力)
  • 買い物やレストランなどでのやりとりができる。
  • 過去の体験・出来事・状況・習慣に関する会話やモノローグを理解し、またそれらのテーマについて相手に伝えることができる。
審査基準
  • 基本的な文法を理解し、平易なスペイン語を使って、過去の体験・出来事・状況・習慣を含め情報のやりとりができる技能を審査する。
審査形式
  • 筆記試験(リスニングを含む。解答はマークシート式)
試験時間
  • 40分(筆記35分、リスニング5分)
合格基準
  • 100点満点の70%以上を合格の目安とする。
サンプル
備考
  • 大学の第二外国語として週2回、1年間の学習に相当する。高校などでの週1回の授業も対象となる。
  • CEFRとの対応:A1

 

6級

レベル スペイン語での4技能「読む、書く、聞く、話す」の基本を理解し、日常生活において最低限の受け答えが可能。
学習時間
文法範囲
語彙数等
  • スペイン語の授業を約50時間以上受講しているか、これに相当する学習経験を有する方が対象。
  • 文法事項の範囲は、直説法現在(ser、estar、haber[hay]、最頻出の規則動詞と不規則動詞)、所有詞前置形、指示詞を含む。
  • 語彙数:約500語
  • 数字100まで
領域 読む(読解力)
  • 日常生活でよく使われる語彙、フレーズや短い文を理解できる。
書く(文章力)
  • 名詞、形容詞などの性数一致の原則や動詞の人称活用を理解した上で、文を構成することができる。
聞く/話す(聞き取り/会話力)
  • 綴りと音声の関係を理解できる。
  • 人の性格や外見、体調や感情、物の特徴を伝えることができる。
  • 場所の案内ができる。
  • 日常的な行動を述べたり、簡単な受け答えができる。
審査基準
  • スペイン語学習の導入段階において必要な文法を理解し、自分や身の回りの事柄について、ごく平易なスペイン語を使って情報のやりとりができる技能を審査する。
審査形式
  • 筆記試験(リスニングを含む。解答はマークシート式)
試験時間
  • 40分(筆記35分、リスニング5分)
合格基準
  • 100点満点の70%以上を合格の目安とする。
サンプル
備考
  • 大学の第二外国語として週2回、半年間の学習に相当する。高校などでの週1回の授業も対象となる。
  • CEFRとの対応:Pre A1

【ヨーロッパ言語共通参照枠との対応】

スペイン語技能検定 ヨーロッパ言語共通参照枠
  1級
  2級
  3級
  4級
  5級
  6級
  C1~C2
  B2~C1
  B1
  A2
  A1
  Pre A1

※ヨーロッパ言語共通参照枠 Common European Framework of Reference for Languages(CEFR)とは、欧州評議会で定めた外国語の学習到達度を示す指標です。
※この対応は、公益財団法人日本スペイン協会が設けているおよその目安です。

【優秀者表彰制度】

傑出した成績、または極めて優秀な成績を収めた受験者には、年度末に賞状ならびに副賞を贈呈してその栄誉を称えます。
各賞の対象者には、3月頃に当協会から直接ご連絡いたします。

  • 文部科学大臣賞          傑出した成績を収めた者
  • 日本スペイン協会代表理事賞    極めて優秀な成績を収めた者

【受賞者の声】

文部科学大臣賞受賞

内藤 陽子さん
石川 和彦さん(茨城県境町役場)
本間 よし乃さん(セントアンドリュース大学)